あめんぼ通信2008

春夏秋冬の野菜やハーブの生育状況や出荷方法、そして、農業をしながら感じたことなどを書いていきたいと思います。

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飼料米(利用と生産)

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 銀色の朝。気温が下がる11月下旬の朝は、太陽が昇ると風景が銀色に輝く。

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 午後9時。ふかし芋とキーウイ、
コーヒーとユズ茶の夜食。コーヒー以外は自家産。農家であることのささやかな贅沢。

 
 
 カエルなど両生類の減少が世界中で報告されるなか、除草剤として使われる化学物質「アトラジン」もその一因になっていると、米国の大学が報告した。
 「アトラジン」は、雄のカエルの体内に雌の生殖組織を形成させる、内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)としての働きが指摘されたことがある。
 日本でも除草剤としての使用が認められている。(農業新聞11月21日)

 農薬と化学肥料と除草剤の3種類はワンセットである。当地の集落の家庭菜園では、ほとんどの家がこの3点セットを使っている。使っていない家は1軒しか知らない。

 安全性についての考え方は、本当に個人差が大きい。現実的には、家庭菜園でも、有機農業はごく少数派と言える。

 出荷農家でも、有機農家の割合は2~3%と思う。すでに何十年も前から「有機農業」が論じられているが、一向に広がる気配はない。経済的メリットが少ないのだと思う。
 
 家庭菜園でもあまり広がらないだろうと思う。
(1)農薬を使わなかった場合、リスクの大きい作物がある。
(2)化学肥料は少々高くても、家庭菜園で使うのは、年間でせいぜい2~3袋と思う。堆肥やボカシ肥料や液肥を作ったり、施すのは、結構重労働だから、高齢化している家庭菜園従事者は、楽な化学肥料を使うようになる。

(3)ボクは除草剤は全く使わないかわりに、草押さえには黒マルチをかなり使っている。逆に家庭菜園の人は、黒マルチはほとんど使わないかわりに、除草剤を頻繁に使う。

 スーパーで出回っている野菜の大半は、農薬、化学肥料、除草剤の3点セット野菜である。農薬の使用基準はあるが、野菜の残留農薬がチェックされることはほとんどないと思う。

 あまり基準を激しくしていたら、ますます農家は少なくなり、自給率も低下するのではなかろうか。

 政府は、表向きは安全性を声高に唱えながら、裏では安全性のハードルを低くしている。そうせざるを得ないのでなかろうか。

 個々の作物の「栄養価」や「味」の問題は、農薬、化学肥料、除草剤の問題とは別次元の問題である。

 農薬や化学肥料を使った野菜は栄養価が低いなどとは聞いたことがない。

 ハウス野菜は露地野菜より栄養価が劣るということは、時々新聞に出ている。

 有機野菜はおいしく、農薬や化学肥料を使った野菜は味が劣るということも少ないのではなかろうか。それは単なる思い込みだと思う。

 野菜の味はその土地の気候風土とか土質に最も影響される。だから「産地形成」される。

 有機野菜でも、栄養失調のような野菜が果たしておいしいだろうか。農薬や化学肥料を使った野菜に見劣りしないくらいりっぱな有機野菜でないと、味もよくないと思う。

  地球温暖化、地球規模での耕作適地の減少、人口の爆発等を考えると、農薬や化学肥料や除草剤の恩恵を受けた大量生産の道は仕方がないような気もする。それどころか、もっと生産性をあげるための「遺伝子組み換え作物」の作付が世界の流れのようである。

 有機農業者が戦っているのは小さな点の戦いに見える。
 
 生活のすみずみまで分業が限りなく進んだ世の中であるが、自分の口に入れる食べ物のうち、せめて野菜くらい、少しは作る必要がある。自分で作ることが環境や安全性につながる。

 

飼料米 

(利用編)

 ある畜産農家の飼料米の購入価格は、
玄米が1キロ30円、20キロで600円、30キロで900円
もみ米が1キロ25円、20キロで500円、30キロで750円 
 高騰前の輸入トウモロコシ価格とほぼ同額だ。(農業新聞11月26日)

 食用の玄米なら、30キロで6000円はするので、ものすごく安い。こんな価格で手に入るなら自分も購入したい。

 ただ、飼料米は通常の飼料流通と異なり、1回に1年分を購入しなければならない。つまり稲秋に一括して購入する必要がある。

 そのため、購入した飼料を保管するための「穀物タンク」が必要になる。

 そして、支払いも一括。受け入れが数回に分かれる配合飼料より負担が大きい。

 トウモロコシ価格が下がった今、飼料米の価格メリットは無い。しかし世界で食糧危機が叫ばれるなかで、食料生産基盤の
水田保全のためにも,飼料米を通して耕種農家と連携を強めたい。
 飼料の安定確保に加え、糞の肥料利用など飼料米生産の利益は地域にとって大きい。(農業新聞11月26日)


(生産編)

 飼料米生産による10アールあたり農家収入は、
1キロ46円で24380円(管内平均10アール収量530キロ)
国の産地作り交付金が10アールあたり37500円
山形県単独助成金が10アールあたり4000円
飼料米導入定着化緊急対策事業13250円
 以上の合計が79130円

 農機の減価償却費と他の生産コストは約62000円

 差引農家収入は79130円-62000円=約17000円。(農業新聞11月25日)

 しかし、1キロ46円(生産者)ではなく1キロ30円(利用者)で計算すると、70650円。70650円-生産コスト62000円=約8600円

 
 食用米を作っても飼料米を作っても、同じくらいの収入にならないと農家メリットはない。ただこの計算例でも分かるとおり、国の産地作り交付金とか、県の単独助成金とか、緊急対策事業など、かなりの補助金を投入しないと輸入トウモロコシの価格に太刀打ちできていない。

 これでは補助金がなくなれば、飼料米が作れなくなる。
 
 対策としては、
(1)国内で飼っている畜産の頭数(羽数)が明らかに多すぎるのではなかろうか。
(2)大規模畜産では輸入飼料価格に対抗できない。輸入飼料価格に対抗できる唯一の道は、昔ながらの1軒に1頭飼いしかない。これなら、家からでる食べ残り、地域の雑草、野菜クズ、その他ありとあらゆるものをエサにすることができるし、少しなら自分で作ることもできる。

 時代に逆行するように見えても、少ない頭数(羽数)飼い、多数の生産者という、過去帰りが必要と思う。過去の方が優れていたのである。


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プロフィール

水田祐助

Author:水田祐助
岡山県瀬戸内市。36才で脱サラ、現在55才、農業歴19年目。農業形態は野菜とハーブのワンパック宅配。人員1人、規模4反。少量多品目生産、他にニワトリ30羽。25年ほど農業とは無縁だったが、ボクが子供の頃は、家は葉タバコ農家だった。
yuusuke325@mx91.tiki.ne.jp


セット野菜のワンパック宅配 みずた観光農園

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